本システムは、AI(教師付機械学習)を活用し、製造業における不良予測を行なうものです。予め生産管理システムなどから製造に関するデータを抽出し、不良品バスターに学習させます。その後、製造に関する情報を不良品バスター送信すると、不良有無の結果を回答します。例えば、ベテランの工場長が図面を見て、「これは不良になる可能性がるので、慎重に作業してほしい」と作業員に言う代わりに、不良品バスターが不良発生を予測します。これにより、不良率が低減し、コスト削減や生産性向上が期待できます!また、クラウ ド型の為、専用のサーバー等は不要です。
本AIシステムの特徴
●利便性 … 単独でも既存システムに組み込んでも利用できます
専用のユーザー画面から予測データを不良品バスターに送る事ができます。 既存の生産管理システムをカスタマイズして、不良品バスターに予測データを送る事もできます。
●高速性 … 不良有無の判定が高速でできます
Pythonで開発された高速なAIエンジンを利用している為、1秒程度で不良判定結果が出ます。
●低価格 … 中小企業でも導入できる安価なシステムです
大企業向けの高価なAIソリューションは多くありますが、本システムは中小企業でも利用し易い料金体系になっています。
不良品バスターの導入プロセス
不良品バスターは、次のプロセスで導入させて頂きます。
①現在の製造状況(製造・加工方法や不良率の確認)
②不良品バスター活用の成果目標の設定(不良率2%低減など)
③AI機械学習に必要なデータ項目の設定
④既存システムから上記
③のデータを抽出
⑤データによる適合率・再現率(注1)の精度分析
⑥成果目標達成有無の検証
⑦不良品バスターの実装と、運用・業務改善コンサルティングの実施
※上記⑥で、検証の結果精度が低い場合は、データ項目の変更などを行い再度検証し、精度が高いデータ項目を再選定します。
注1:適合率:AIが不良と判定したもののうち、本当に不良であった割合
再現率:本当の不良のうち、AIが不良と判定した割合
中小企業AI普及ネットワークでは、このようなプロセス全てをご支援しています。
学習データと予測データ(サンプル)
左図は学習データと予測データのサンプルです。ここでは、材質(アルミ、鉄など)、予定時間(難易度による作業時間)、L/T(リードタイム)、作業担当者と不良数を学習データとしてAIに与え、学習モデル構築します。その後、不良数以外のデータを予測データとしてAIに与える事で不良の有無(1or0)が出力されます。
不良品バスターの利用例
本不良品バスターシステムは、①既存の生産管理システム等とデータ連携する方法、②手動で予測データを複数件アップする方法の2つがあります。どちらも、専用のAPIを使いインターネット経由でAIシステムにデータを送信します(ただし、①の場合、既存システムをカスタマイズする必要があります)。予測データが不良品バスターに送信されれば、1~2秒程度で回答(不良あり→1、不良なし→0)します。不良ありと回答があった場合、当該製番の作業指示書に「注意」という印鑑を押し、作業員に注意を促します。これにより、慎重に作業をする事で不良率を低減させようとするものです。
この例以外にも製造業の作業現場ごとに必要なデータを選定して不良予測を行う事ができます。
本利用例の狙い
写真は、カーブで注意を促す看板です。通常、「急カーブ注意」という看板を見るとドライバーは減速します。これと同じように、不良が発生すると予測された案件に対して、注意を促す事で作業者が慎重に作業し、不良の発生を少なくする事が狙いです。
不良品バスター<愛>の活用事例
A社は従業員35名の中小製造業です。主に、試作品などの金属加工を受注する、多品種少量の受注生産を行っています。受注があるとアルミやステンレスなどの材料を購入し、加工して出荷する訳ですが、もし加工ミスなどの不良発生すると、再度材料を購入し、加工をやり直します。この場合、時間とコストが無駄になり、生産性が大きく下がります。
現在、不良率が3%~4%あり、その原因の大半が「図面の見間違え」や「加工ミス」など、人的ミスになっています。
そこで、AIシステムである不良バスター<愛>を活用し、不良が発生する確率が高い案件を予め抽出し、作業者に慎重作業を促し不良率を低減する活動を行っています。
左の写真は、A社の事務所で導入済の生産管理システムの生産計画から、明日着手する案件を抽出し、不良バスター<愛>にデータを送信し、不良判定された案件を「不良予測リスト(PDF)」として印刷しているパソコンの画面です。
左上の写真は不良品バスターの回答を元に印刷した不良品リストです。右下は不良品バスターに予測データを入力(送信)する画面です。ここでは着手日と工程を指定するだけで、生産管理システムから当該データを抽出し送信します。尚、左の画面と帳票は、生産管理システムをカスタマイズしています。
A社では、生産管理システムによる進捗・実績管理を行っています。その為、現場のパソコンから作業の開始・終了を入力しています。このパソコンの近くに印刷した「不良予測リスト」を貼りだし、作業者がパソコンで開始入力を行い際に、予測リストに自身が行う加工があれば、作業指示書に「重要」のスタンプを押して作業を行っています。
左の写真は、不良品リストに印字された番号を見て、作業者が自身が作業する図面に「重要」というハンコを押しています。この図面はAIが不良になる確率が高いと回答しているので、作業者は慎重に作業する事で不良率を低減させる狙いがあります。
従来、中小企業がAIを活用する場合、導入費用の高さやデータ選定・分析ができないなど、いくつかの
課題がありました。中小企業AI普及ネットワークでは、このような課題を解決し、中小企業がAIを活用し
業務改革・改善を通じて生産性を向上する活動をご支援しています。
不良品バスターの利用料金
①業務コンサルティングとデータ選定:30万円(税別)~
②データ分析(AI精度分析):30万円(税別)~
③AIシステムの運用: 月額5万円(税別)~
※データの種類数や量により、費用は変わります。
※平成31年度のIT導入補助金 ITツール登録予定
開発・販売会社
不良品バスター〈愛〉は、AIシステム開発の京都イノベーションと、中小製造業の経営・業務改革指導を行うダイコンサルティングが、協同開発しました。中小企業の現場を熟知しているIT経営コンサルタントと、AIの専門家集団がタッグを組んで、中小製造業の経営・業務改革、生産性向上を応援します!